小掃除

日々の暮らしを行っていると、ふとした瞬間に掃除がしたくなることがある。 しかし、実際に行動に移すには以下の条件が必要だ。

  1. 何かに追われていないこと
  2. 身体を動かす程度の気力はあること
  3. 空腹でないこと
  4. 入浴前であること

なぜこれらの条件が必要か。

まず条件1だが、何か、例えば仕事や課題など、に追われているときは、そちらが気になってしまい、掃除などしている暇があるものかと、途中で切り上げてしまうものだ。 条件2に関しては、思考や創造をするほど気力は残っていないが、頭を空っぽにして身体を動かしてもよいと思える程度の、微妙なバランスの気力を持っている必要がある。 条件3は途中で力尽きないためである。掃除は途中で止めると、かえって散らかしてしまう可能性がある。 条件4が最も重要で、入浴後に掃除を行い身体が汚れるのは嫌なものである。風呂に入ろうかな、と思ったタイミングで掃除をするのは良い考えである。

これらの条件が揃って、やっと実際に掃除を行える。 条件が多く、少しハードルが高いことがわかる。

さて、これらの条件が揃ったら、部屋の掃除をすると良い。 師走の大掃除は半日もしくは一日仕事だが、この掃除は一時間程度で切り上げる。 それ以上行うと重労働だし、まだ終わらないものかと嫌になってくるからだ。 この掃除は大掃除と違って、もちろん部屋を清潔にすることも目的だが、掃除を行ったという達成感、爽快感を味わうことが主目的であり、嫌になったり、疲れ果てるために行うものではない。 掃除を行う箇所は一箇所、もしくは二箇所程度にとどめ、そこを満足するまで掃除すると良いだろう。

この、一時間程度で切り上げる掃除を、「小掃除」と呼ぼう。大掃除との対比だ。

台所なら、溜めた食器をスポンジで洗い、別のスポンジを使ってシンクをこすり、水垢を落とす。 生ごみがある場合は処分し、排水溝を使い終わった歯ブラシなどでこすり、黒ずみなどを落とす。 コンロの油汚れは中性洗剤を使用してふき取り、壁の油跳ねも同様に行う。

リビングなら、掃除機をかけ、かたく絞った雑巾やフローリング用のウェットシートなどで床をさっと拭く。 気分転換に家具の配置を変えても良い。ただし配置転換は、一個か二個程度に抑える。 家具の配置変えはあまり達成感を味わうことができない。

寝室なら、布団と枕を干し、掃除機をかける。 掃除が終わる頃に布団と枕を取り込めば丁度良い、枕カバーもこの際替えてしまおう。

風呂場なら、湯水でさっと壁や浴槽を流し、風呂場用洗剤でこする。 隅にできやすいカビには、漂白剤を吹きかけておく。 漂白剤がすぐに流れてしまう場合は、ティッシュを貼り付けて漂白剤をしみこませると良い。 排水溝の髪の毛をとり、排水溝の蓋をスポンジまたは使い終わった歯ブラシでこすり、汚れを落とす。

掃除が終わった時、身体は少し汗ばみ、全身がほんのりと疲れ、足裏は黒く埃が付き、手は洗剤で荒れている。 最後に入浴して小掃除は終了する。 汗を流し、足の埃を落とし、湯で温まって身体をリラックスさせる。 手が気になる人は保湿クリームなどを薄く塗ると良いだろう。 このようにすることで、達成感と爽快感で掃除を締めくくることができ、次もまたやってもいいか、と言う気分にさせる。

小掃除が終了したら、爽快感から外出をしても良いし、達成感から布団に入り、眠っても良い。 そこは自由である。 個人的には布団に入る方が気持ちよく、よく眠れる気がする。